2-1 マザーボードの概要

学習目標
本章では、Pandora 高集積エッジコンピューティング・マザーボードの設計アーキテクチャと用途特性を短時間で理解することを目的とします。対応モジュール、主要仕様、拡張インターフェース、表示出力、通信、電源条件、環境仕様を体系的に説明し、AI アプリケーション(スマート交通、マシンビジョン、エッジ推論など)の要件に応じた正しい選定と導入ができるようになります。さらに、モジュール別の性能・消費電力の目安、取り付け時の推奨事項と制約を提示し、開発者が実務で参照できる手順書としてまとめます。
Pandora マザーボード概要
Pandora は高集積のエッジコンピューティング・プラットフォームで、NVIDIA Jetson Orin シリーズ(Nano 4GB / 8GB、NX 8GB / 16GB)に対応します。高速な拡張インターフェースと産業用途を想定した設計を備え、AI マシンビジョン、スマート交通、エッジ推論などの用途に適しています。
主要仕様
- 対応モジュール:Jetson Orin Nano 4GB / 8GB、Jetson Orin NX 8GB / 16GB
- ストレージ
- (1) 外付け PCIe NVMe SSD をサポート
- (2) 128GB NVMe SSD(M.2 2280)を標準搭載
- メモリ:モジュール構成に依存(LPDDR5 4GB / 8GB / 16GB)
- OS サポート:NVIDIA JetPack 6.2 以降
- ファームウェア:アップグレード可能(Firmware Upgradable)、TPM モジュール対応(オプション)
拡張・接続インターフェース
M.2 拡張スロット(合計 4 口)

映像・マルチメディア
1. HDMI ×1
2. HDMI 2.0(NVIDIA Jetson Orin™ NX Super)
3. HDMI 1.4(NVIDIA Jetson Orin™ Nano Super)
4. MIPI CSI-2(8レーン)
D-PHY 2.1、MIPI カメラまたはキャプチャカード互換
オーディオ I/F
1. Line In ×1(3.5mm)
Line Out ×1(3.5mm)
USB
1. USB 3.2 Gen2(Type-A)×2
2. USB 3.2 Gen2(Type-C、OTG 対応)×1
3. USB 2.0(Type-A)×2
ネットワーク・通信
1. RJ45 Ethernet ×2
10 / 100 / 1000 Mbps、DHCP クライアント自動取得
2. CAN Bus ×1(14ピンヘッダ)
シリアル通信
1. UART ×1(CTS / RTS 対応)
2. UART ×1(デバッグ専用)
GPIO・周辺制御
40ピンヘッダ
(1) I2S ×1
(2) I2C ×2
(3) SPI ×2
(4) UART ×1
(5) GPIO ×3
14ピンヘッダ
(1) CAN Bus ×1
(2) UART ×1(CTS/RTS あり)
(3) Debug UART ×1
電源・環境条件
1. 入力電源:DC 12~36V
2. 最大消費電力:約 42W(モジュール、SSD、周辺機器含む)
3. 動作温度:0~60℃(エアフロー冷却が必要)
4. 保管温度:-20~80℃
対応 Jetson モジュール一覧
⚠️ 注意事項・推奨事項
1. ✅ PCIe NVMe SSD のみ対応
❌ SATA SSD は非対応
2. PCIe Gen3 SSD を推奨(PCIe Gen4 SSD も使用可能ですが、Gen3 速度で動作します)
3. M.2 デバイス取り付け時:
(1) 静電気防止リストバンドを着用する
(2) 45°の角度で差し込み、ネジで固定する