2-3 Jetson コンポーネント環境の構築
学習目標
本章では NVIDIA JetPack 6.2 のインストールと設定手順を学び、Jetson プラットフォーム上に AI 開発環境を整備します。完了後、以下ができるようになります。
1. JetPack SDK の構成要素(CUDA / cuDNN / TensorRT など)と役割を理解する。
2. Pandora 上で JetPack と依存パッケージを導入する手順を習得する。
3. インストール結果を検証し、Python 開発環境を整備できる。
4. よくある導入トラブル(互換性、空き容量不足など)を切り分けて解決できる。
5. 後続の AI 開発(マシンビジョン、エッジ推論など)に向けた安定したソフトウェア基盤を構築できる。
本書は、初心者~上級者が短時間で Jetson 開発環境をセットアップできるよう、実務に即した手順をまとめています。
JetPack 導入ガイド(CUDA / cuDNN / TensorRT 含む)
NVIDIA JetPack は、CUDA・cuDNN・TensorRT などの中核コンポーネントを統合した SDK であり、AI/深層学習/機械学習アプリケーションの開発を支援します。
インストール要件
1. システム前提:Pandora へのシステム書き込み(JetPack 6.2 または互換版)が完了していること
2. ネットワーク:Wi-Fi または Ethernet で安定してインターネットに接続できること
3. 空き容量:システムディスク(NVMe SSD)に 20GB 以上の空き(推奨:128GB 以上の SSD)
4. 対象機種:Jetson Orin Nano(4GB/8GB)または Orin NX(8GB/16GB)搭載の Pandora
インストール手順
Step 1:ネットワーク確認とパッケージ情報更新
1. Pandora がインターネットに接続されていること(Wi-Fi / Ethernet)を確認します。
2. 端末で以下を実行します。
Step 2:JetPack パッケージをインストール(CUDA / cuDNN / TensorRT)
JetPack はメタパッケージとして提供され、主要開発ツールをまとめて導入できます。以下を実行します。
sudo apt-get install nvidia-jetpack -y
一般的に以下が含まれます。
1. CUDA Toolkit
2. cuDNN
3. TensorRT
4. OpenCV
5. Multimedia API など
所要時間目安:約 10~30 分(回線速度・ストレージ性能に依存)
Step 3:インストール状態の確認
1. CUDA 関連パッケージの確認:
dpkg -l | grep cuda
2. cuDNN 関連パッケージの確認:
dpkg -l | grep libcudnn
3. TensorRT 関連パッケージの確認:
dpkg -l | grep tensorrt
4. Python から OpenCV の確認:
python3 -c"import cv2; print(cv2.__version__)"
いずれかが表示されない場合は、ネットワーク状況を確認のうえ Step 2 を再実行してください。
Step 4(任意):v4l-utils のインストール(V4L2 カメラ用ツール)
v4l-utils は Linux の V4L2(Video4Linux2)対応カメラ/映像デバイスを確認するためのツール群です。主に以下に利用します:
- 認識されているカメラデバイス(例:
/dev/video0)の一覧表示 - 対応フォーマット/解像度/FPS(MJPEG/YUYV など)の確認
- 映像が出ない・フォーマット不一致などの切り分け
インストール:
sudo apt-get install -y v4l-utils
簡易チェック:
v4l2-ctl --list-devices
v4l2-ctl -d /dev/video0 --all
v4l2-ctl -d /dev/video0 --list-formats-ext
⚠️ 注意事項
1. 空き容量:導入前に NVMe SSD の空きを 20GB 以上確保してください(推奨:128GB 以上)。
2. ネットワーク安定性:JetPack は大量のパッケージを取得します。通信断を避けるため、安定した回線を使用してください。
3. 導入時間:nvidia-jetpack のインストールは回線・ストレージにより 10~30 分程度かかる場合があります。
4. 互換性:JetPack と各フレームワークの互換性は NVIDIA の公式情報を参照してください。